k 海岸保全の革新と構造物から養浜への移行1950年代までは海岸侵食と波浪被害を防ぐには固い構造物を用いることが一般的な方法であった.これらの構造物は防潮壁と護岸のような海岸補強の構造物もしくは突堤のような砂を捕捉する構造物であった.1920から30年代には,私的あるいは地域共同体がこれらの技術を用いて暫定的なやり方で海岸を保全した.いくつかのリゾート海浜では構造物が増加し,実際に海浜レクリエーション利用を促進させた.侵食が継続すると固定した後背地は残ったが,海浜の面積は減少した.構造物が目障りでコストがかかるので,1940年代から50年代初期にUSACEは新しい,より動的な方法に向った.自然の海浜や砂丘のシステムの保全特性を模倣した技術を開発すると共に,USACEの事業はもはや固い構造物だけに依存しなくなった.工学的手法としての人工海浜と安定砂丘の活用は,経済的に可能で波のエネルギーを消散させて海岸地域を守る,より環境にやさしい方法である.人工海浜は構造物がある海岸よりも景観的に勝り,レクリエーション価値が高い.図I-3-13に養浜と構造物の連邦の海岸保全費用が10年毎に示してある.1970年代から90%の連邦予算が養浜に費やされている(Hillyer 1996).


Figure I-3-5. The shift from fixed structures to beach restoration and
nourishment (from Hillyer, 1996).

図I-3-13. 固定構造物から海浜復元・養浜への移行(Hillyer 1996より).