Chapter I-4

CEM


I-4-1.背景

1970年代以降USACEの海岸工学の施行と世界中の殆どの海岸プロジェクトの標準的な工学は,全体的もしくは部分的にShore Protection Manual (SPM)に基づいていた.SPMが最後に改訂された1984年以降に,海岸工学の分野では多くの技術的発展とコンピューター・モデル,環境保存並びにプロジェクト維持への応用を経験した.BEBは1954年に最初の海岸構造物への標準的指針,Shore Protection Planning and Design,それはまたTR-4として知られている,を作成した.それは,CERCにより最初に1973年に作成され,1975,1977,1984年に改訂された,SPMの先駆けである.これら刊行物は今日まで,海岸構造物と養浜の設計の手法を与えといる.USACEは伝統的に,港口水路,航行水路と構造物,高潮災害減少並びに海岸保全を含む連邦が認めた海岸土木工事の建設と維持に責任を負う.それ故にUSACEは合衆国で実施される海岸工学の原理の発展に主に責任がある.

  1. Shore Protection Planning and Design, TR 4 . TR-4の手法は波力に対する海岸構造物の安定設計に主眼をおいている.その当時の技術は構造物の機能性や養浜の安定性についてはなんらの方法も無かった.浜と砂堆の設計は定量的に留まった.単純な線形波理論,静的な陸上構造工学原理,試行錯誤的実験データが,TR-4に提示されたような経験的関係と大まかな推定を導いた.その時代の養浜は特定の機能のために設計されていなくて,注目している地点での漂砂供給と保全構造物に作用する波のエネルギーを軽減するのために置かれていた.
  2. Shore Protection Manual, SPM . SPMはTR-4をかなり進歩させたもので,それは波-構造物の相互作用の原則を導くための物理モデル実験,波理論の進歩,種々のプロジェクトで得られた統計的データなどの結果を使用した.SPMは突堤と防波堤の位置と意味,防潮壁の氾濫防止効果並びに養浜の安定の予測に対してより多くの指針を与えた.SPMの初版は1,160ページで,20年前のTR-4の3倍の長さであった(Camfield 1988).SPMそして1970年代と80年代初頭の養浜事業は,海岸侵食制御とレクリエーション利用の目的で計画された.養浜される材料の数量は長期の後退率とレクリエーション利用粒径に対する安定性に基づいた維持養浜量の予測に役立つ指針を示した.SPM及びこの時代に施工された養浜の両者共,一つの時化期間中の性能については触れていなかった.当時は,氾濫制御を主目的とする養浜は無かった.

    SPMは大学のテキストとして,技術者の訓練支援として広く使用された.それはまた特定の設計パラメーターを計算する経験的手順に関する便利な参考書でもある.約30,000部が,合衆国印刷局を通して販売された.中国語,スペイン語を含む外国語への翻訳は,職業的海岸技術者への国際的な標準指針としてのSPMの役割を試している(Pope 1993, 1998).SPMが一般的海岸工学の参考書だとしても,航行と港湾の設計についてのいくつかの見解は含まれておらず,その主な焦点は海岸保全にある.

  3. Coastal Engineering Manual, CEM .数値モデルの進歩,信頼できる現地観測技術並びに海岸過程に影響する物理的関係の改良された理解は,1980年後半から90年代における海岸保全設計の洗練された手法へと導いた.養浜の安定のみならず極値的な事象における性能の予測において海岸技術者を支援する多くの指針と解析ツールが過去15年間に発達した.岸沖と沿岸方向の変化のモデル,流体力学的追算データベース並びに確率統計的手法が現場海岸技術者にある設計において氾濫制御を定量化する手順を用意するのに開発された.海岸侵食制御構造物(例えば突堤,防波堤)の機能的相互作用が数値シミュレーションで解析される.防潮壁は安定だけではなく,洗掘や越波を含む波-構造物相互作用の種々の要因を予測するのに物理的にモデル化される.海岸事業の計画,設計,建設,維持に用いられる全てのツールと手順をもとめた,一つの"現代的な"技術書が必要であった.USACEはCERC及び後のCHLに,完成された科学とこの新しい技術を総括した新しい参考書,Coastal Engineering ManualCEMを作ることを命じた.CEMに含まれるものは,海岸過程の基本的原理,計画・設計パラメーターを計算する方法,並びに海岸波浪災害軽減,海岸保全並びに航行事業を支援する研究を如何に発展させ,実施するかの指針である.